音楽生成の実測
指定した尺も BPM も、そのまま出てくるとは限らなかったわ。
音は「作れた/作れない」で終わりにできないの。出てきたものを測ると、指示した値と違うことがふつうにあるから。映像を合わせる相手は、指示した数字ではなく出てきた音のほうになるわね。
音楽モデル 2 本に同じ入力を渡して並べた
| 入力 | MiniMax Music3 | ACE-Step v1 3.5B |
|---|---|---|
| インスト (歌詞なし) | 37.55 秒 | 11.19 秒 |
| 英語の歌詞 | 63.74 秒 | 10.34 秒 |
| 日本語の歌詞 | 63.84 秒 | 10.16 秒 |
| VRAM ピーク | 15.3 - 15.5 GiB | 8.7 - 8.9 GiB |
| ディスク | 13.35 GiB | 7.17 GiB |
同じ 60 秒でも、かかった時間は 6 倍違ったわ
歌詞を渡した 2 件で見ると、Music3 が 63.74 秒と 63.84 秒、ACE-Step が 10.34 秒と 10.16 秒。6 倍以上ね。
インストの行だけ Music3 が 37.55 秒と短く見えるけれど、これは速かったのではなくて、曲が 34.551 秒で勝手に終わったからよ。60 秒を作らせたつもりで 34.551 秒しか出ていないの。だからこの行だけは、ほかの行と同じ意味の数字ではないわ。詳しくは次の表ね。
VRAM は、どちらも余っていたわ
ピークで 15.3〜15.5 GiB と 8.7〜8.9 GiB。RTX 5090 の 32GB に対してどちらも半分以下よ。つまりこの機械では、音楽生成は容量ではなく時間が効くの。動画のほうは 2 つ載せられなくて詰まったから、そこは対照的ね。
置き場も書いておくわ。ディスクは 13.35 GiB と 7.17 GiB。音の生成物そのものは小さいけれど、モデルのほうが場所を取るのよね。
尺の指定は「上限」であって「指定」ではなかった
| 指定した尺 | 出てきた尺 | 差 |
|---|---|---|
| Music3 / 60 秒 / インスト | 34.551 秒 | -42.4% |
| Music3 / 60 秒 / 英語詞 | 59.989 秒 | -0.02% |
| Music3 / 60 秒 / 日本語詞 | 59.989 秒 | -0.02% |
| Music3 / 360 秒 / インスト | 39.509 秒 | -89.0% |
| ACE-Step / 60 秒 (3 件とも) | 59.907 秒 | -0.16% |
尺の指定は「上限」で、「指定」ではなかったの
60 秒と書いて、歌詞を渡した回は 59.989 秒。ほぼ指定どおりね。でも歌詞を渡さないインストは 34.551 秒 (-42.4%) で終わったわ。
それなら上限を上げれば伸びるのかと思って 360 秒にしてみたら、39.509 秒。指定の 89% が消えたことになるわ。つまり上限は伸ばせても、曲そのものは伸びないの。
歌詞が「どこまで作るか」を決めているのね
歌詞を渡すと上限いっぱいまで使って、渡さないと勝手に切り上げる。同じモデル・同じ設定で、入力に歌詞が在るかどうかだけでこう変わるわ。
ACE-Step のほうは 3 件とも 59.907 秒で、指定した尺がそのまま出てくるの。尺を先に決めて編集の枠を組むなら、こちらの性質のほうが扱いやすいわね。
だから、出てきたファイルを測るまで尺は分からない
60 秒の枠を先に組んでおくと、34.551 秒しか無い音に対して 25 秒ぶんの穴が開くことになるわ。先に音を作って、出てきたファイルを測ってから映像側を決めるのが順序ね。
説明文に書いた BPM は、そのままでは出てこない
| 曲 | 指定 | 実測テンポ | ビートの立ち方 |
|---|---|---|---|
| Music3 / インスト | 100 | 93.96 BPM | 4.01 倍 |
| Music3 / 英語詞 | 100 | 99.38 BPM | 2.87 倍 |
| Music3 / 日本語詞 | 100 | 107.67 BPM | 2.64 倍 |
| ACE-Step / インスト | 100 | 80.75 BPM | 1.79 倍 |
| ACE-Step / 英語詞 | 100 | 64.60 BPM | 1.81 倍 |
| ACE-Step / 日本語詞 | 100 | 132.51 BPM | 1.41 倍 |
BPM 100 と書いて、出てきたのは 64.60 から 132.51 だったわ
6 曲とも説明文に BPM 100 と書いたの。実測は 93.96 / 99.38 / 107.67 / 80.75 / 64.60 / 132.51。いちばん遅い曲といちばん速い曲で 2 倍以上開いているわ。
近いものもあるから「効いていない」とまでは言えないけれど、書いた数字がそのまま出る前提で組むと合わないのは確かね。
速さより、拍が立っているかのほうが効くわ
表の「ビートの立ち方」は、検出した拍の位置での音の立ち上がりが、曲全体の平均の何倍かという値なの。1.0 なら拍と音が無関係ということで、そこに映像を合わせても意味が無いわ。
Music3 は 2.64〜4.01 倍、ACE-Step は 1.41〜1.81 倍。Music3 のほうが拍がはっきり立っているの。映像を切る相手としては、テンポが指定どおりかよりそこに切れる場所が在るかのほうが効くわね。
合わせる相手は、指示した数字ではないわ
つまり手順としては、先に音を作って、出てきた音のテンポと拍の位置を測って、それに映像を合わせるのが正しい形。指示した BPM でカット割りを先に作ると、ずれた状態から始めることになるの。