計測のしかたで狂ったもの
数字より、その数字が何を測っているかのほうが狂いやすいの。ここには測り方の失敗を置いてあるわ。
どちらも、出てきた数値が読めてしまうぶん危ないものよ。エラーは出ないし、それらしい値が並ぶから、計測のほうが壊れていることに気付けないの。
連続実行で計測が汚染された量
| モデル | 単独で測ると | 4 本連続だと |
|---|---|---|
| LTX 2.3 | 90.1 秒 | 130〜135 秒 |
| MiniMax H3 Turbo | 149.3 秒 | 222〜249 秒 |
| LTX 2.5 (1 番手) | 影響なし | 影響なし |
エラーは出ないわ。数字だけが 1.7 倍になるの
4 本のモデルを 1 つのスクリプトから続けて回したの。そのほうが条件が揃うと思ったからよ。実際は逆だったわ。
前のモデルを VRAM に載せたまま次が始まっていたの。続けて投入するときは解放を省くほうが速い、という最適化が効いていたからね。1 本ずつ測るぶんには正しい動きで、比較のときだけ邪魔になる類よ。
いちばん怖いのは、順番が結果を作っていたこと
LTX 2.3 は単独なら 90.1 秒が、連続だと 130〜135 秒。H3 Turbo は 149.3 秒が 222〜249 秒。最大で 1.7 倍の水増しね。
そして最初に走ったモデルだけ無傷だったの。つまり並べる順番がそのまま有利不利になっていて、1 番手に置いたモデルが勝つ表が出来上がっていたことになるわ。
気付けたのは、値が「読めてしまった」から
落ちもしないし警告も出ない。それらしい秒数が並ぶわ。おかしいと思ったのは、前に単独で測った値と食い違っていたからなの。比べる相手を持っていなかったら、そのまま出していたと思うわ。
この 1 回目の計測は捨てて、1 本ずつ測り直したわ。いま 動画生成の実測 に出ているのはその測り直しのほうよ。
プロンプトの 1 語で構図が飛ぶ量
| プロンプトの書き方 | seed A | seed B |
|---|---|---|
| toward the viewer (視点基準) | 1.510 倍 | 2.062 倍 |
| to her left (被写体基準) | 1.000 倍 | 1.000 倍 |
| 視点を指す語を書かない | 1.000 倍 | 未測定 |
1 語で、構図が 2 倍に寄ってしまうわ
toward the viewer と書いた回は、最終フレームが seed A で 1.510 倍、seed B で 2.062 倍に寄っていたの。入力した構図から、勝手にカメラが近づいているということね。
同じ動きを to her left と書き直したら 1.000 倍。2 つの seed とも、入力構図からまったく動かなかったわ。視点を指す語をそもそも書かない回も 1.000 倍だったの。
効いていたのは動きの指定ではなく、基準の取り方だったのね
viewer / camera / lens のような見る側を指す語を書くと、モデルはそちらを動かしにいくみたい。被写体を基準にした言い方に置き換えるだけで止まるわ。
指示を足して打ち消そうとするのではなくて、基準を書き換えるほうが効くということね。
ここも、エラーは出ないの
動画としては普通に出てくるわ。寄っていることに気付くには、最終フレームを入力の構図と比べる必要があるの。目で見て「なんか違う」ではなく、拡大率という数字にしてから初めて 1.510 倍と 1.000 倍を並べられるようになったわ。
seed B で「視点を指す語を書かない」を測っていないのは、単に測っていないからよ。表には未測定と書いてあるわ。